2011年 02月 18日
入手先選び(その2)
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購入後の整備・部品調達の不安から、
「値が張っても安心を買う」というつもりで、専門店での購入をほぼ決めておりました。
「一生付き合えるバイクを買う」という覚悟を決め、
自分にとっては大変大きな買い物をするとあり、やはり後悔はしたくありませんでしたので…
愛知・広島のそれぞれ有名なお店を訪ね、車種を絞り込み、
相手方の指定口座へ振込が完了する数日前、
インターネットでお知り合いになったある方からの情報で、
某有名オークションにイエローデスモの350ccが出品されていることを知りました。
350ccは、学生時代にこの車両の写真を見た時から
「ちょうどいい排気量だなぁ」と思っていたものでした。
雑誌などで読む「各排気量の中で最もバランスが良い」というインプレも、
その気持ちを後押ししていました。
しかし、ただオークションに出品されていただけではなかなか買う気になれません。
なにせ「オークション」で、
どのような方がどのような物を出品しているのか計り知れないですから。
ただ今回、私にとってラッキーだったといえるのは、
出品地域が現在私が住む長野県内。
しかも車で20~30分ほどで行ける場所だったということ。
「う~ん、取りあえず程度がどれほどが見に行ってみよう」
だめなら専門店の話を進めればいい、そんな軽い気持ちで見に行きました。
後日、出品者であるオーナーさん宅へ出向き、見せていただいたのは、
74年製、前輪ディスクブレーキ仕様のイエローデスモでした。

・外装…軽い擦り傷はあるが、カウル割れ、タンク凹みなどなく結構きれい。
フレーム歪みもなさそう。
・エンジン…現在不動とのこと。
・フレーム、エンジンの刻印は正規と思われるものが打ってある。
・キックはスムーズに降りる。
・フロントフォークにオイルにじみがあるみたい?
・ガソリンタンク内はサビで真っ赤。
・フロントブレーキに引きずりがあり、取り回しが重い。
・軽二輪登録されている。
・譲渡に必要な書類は全て揃っている。
素人の私が見て気付いたのは上記の点くらいでしょうか?
本当なら、もっと見るべき点がてんこ盛りなのでしょうけれど…
オーナーさんもとても物腰の柔らかい感じの良い方で、
居間にお邪魔してお茶までいただいてしまいました
(M様、その折は大変お世話になりました)。
オーナーさんは、この車両をやはりオークションで購入後、
とあるショップでOHを依頼したそうです。
しかし、ショップでの作業途中でショップ自体が潰れ、
店主と連絡が取れなくなってしまったそうなのです…
ショップにて施した作業のリストを見せていただきましたが、
エンジンはそれなりに手を入れられているようでした。
店からは「エンジンはかかる状態になっている」として受け取られたそうですが、
エンジンに火が入ったことは一度もないとの事。
「整備費を払った後に、そんなこともあるんだな…」
車両費込みでも相当な金額を負担されたオーナーさんが寂しそうに話す姿を見て、
こちらも悲しい気持ちになりました…
(…近所で当初の自分の希望にあったバイクがちょうど良いタイミングで出品されているのも何かの縁かな?
自分が引き取って再生させれば、こちらのオーナーさんにもこのバイク本来の姿を
見せてあげられる!専門店のバイク納車もまだだし、今ならまだ間に合う!!)
と、自分の中で勝手に妄想が膨らみ(笑)、
オーナーさんと別れる時には気持ちがかなり高まっていました。
翌日、専門店に商談のキャンセルを伝え(大変なご迷惑をおかけいたしました…)、
あとはオークションでの落札を完了するだけの状態に。
そしていよいよ決戦の夜…
スタート価格が400000円(最低落札価格あり)だったので、
「落札後、専門店にOHをお願いしたって全然安く上がる。
100万円までなら、OH代を差し引いても買いだな」と考えていました。
また、いくらなんでもそこまでは上がらないだろうと高をくくっていました
(これが大誤算でしたが…)
終了1時間前まで500000円まで上がっていましたが
まだ最低落札価格までは到達しておらず、
「どうしたもんかな…?」と考えているうち、あれよあれよと入札が殺到。
終了30分前には、一気に860000円まで上がっていました(!)
どうやら出品者様は850000円で最低落札価格を設定されていたようです
(後日聞いた話では、流通のほとんどないこのバイクの相場が知りたくて
設定したとのことでした)。
しかし、前述の妄想がMAX状態の私は、
「オレじゃなければ誰があのバイクを面倒見るんだ?絶対に落とさねばならん!」
と、変な義務感のようなものまで感じながら、競り合いに参加しました。
残り10分で940000円。この時点で入札相手は1人となりましたが、
この方がなかなか強敵で…(泣)
こちらが最高入札すると、すぐさま応札されるといった繰り返し。
1回の入札で1万円以上動いているというのに、
最早金銭感覚は完全に失われています(オークションって怖いですねぇ~)
5分を切って、こちらが当初限度額と考えていた1000000円が目前になってしまいました(!!!)
待て。冷静になれ、オレ!Stay calm!
実際100万円ってどれほどの金額か、お前は本当に分かっているのか!?
年収の何分の一に当たるのか、よ~く考えて入札ボタンを押下せよ!
改めて自分に問い掛けました。
そして…「最後に100万円で入札を入れ、これでダメなら諦めよう」と決めました。
そうしないとどこまで上がるのか全く先が見えなかったですから。
私が最後の入札をした時点で価格は995000円。
やはり相手は応札し、999000円に…
う~ん、だめかな?と思っているうちに再度の応札。
999999円になりました~
「最早、我が命は風前の灯火…」
バクバクした心臓を抑えながら、うつろな気持ちでモニターを見つめる私。
…
…
…
ん?
今までの怒濤の応札ラッシュが止んだようです!?
こ、このまま終わってくれ~!
…この時ほど時間が早く過ぎてくれと思った瞬間はなかったですね(笑)。
残り時間の表示が「終了」を示した時には、ホッとして全身の力が抜けました…
探し始めて3カ月余り、こうしてイエローデスモのオーナーになることが決まったのでした。

「値が張っても安心を買う」というつもりで、専門店での購入をほぼ決めておりました。
「一生付き合えるバイクを買う」という覚悟を決め、
自分にとっては大変大きな買い物をするとあり、やはり後悔はしたくありませんでしたので…
愛知・広島のそれぞれ有名なお店を訪ね、車種を絞り込み、
相手方の指定口座へ振込が完了する数日前、
インターネットでお知り合いになったある方からの情報で、
某有名オークションにイエローデスモの350ccが出品されていることを知りました。
350ccは、学生時代にこの車両の写真を見た時から
「ちょうどいい排気量だなぁ」と思っていたものでした。
雑誌などで読む「各排気量の中で最もバランスが良い」というインプレも、
その気持ちを後押ししていました。
しかし、ただオークションに出品されていただけではなかなか買う気になれません。
なにせ「オークション」で、
どのような方がどのような物を出品しているのか計り知れないですから。
ただ今回、私にとってラッキーだったといえるのは、
出品地域が現在私が住む長野県内。
しかも車で20~30分ほどで行ける場所だったということ。
「う~ん、取りあえず程度がどれほどが見に行ってみよう」
だめなら専門店の話を進めればいい、そんな軽い気持ちで見に行きました。
後日、出品者であるオーナーさん宅へ出向き、見せていただいたのは、
74年製、前輪ディスクブレーキ仕様のイエローデスモでした。

・外装…軽い擦り傷はあるが、カウル割れ、タンク凹みなどなく結構きれい。
フレーム歪みもなさそう。
・エンジン…現在不動とのこと。
・フレーム、エンジンの刻印は正規と思われるものが打ってある。
・キックはスムーズに降りる。
・フロントフォークにオイルにじみがあるみたい?
・ガソリンタンク内はサビで真っ赤。
・フロントブレーキに引きずりがあり、取り回しが重い。
・軽二輪登録されている。
・譲渡に必要な書類は全て揃っている。
素人の私が見て気付いたのは上記の点くらいでしょうか?
本当なら、もっと見るべき点がてんこ盛りなのでしょうけれど…
オーナーさんもとても物腰の柔らかい感じの良い方で、
居間にお邪魔してお茶までいただいてしまいました
(M様、その折は大変お世話になりました)。
オーナーさんは、この車両をやはりオークションで購入後、
とあるショップでOHを依頼したそうです。
しかし、ショップでの作業途中でショップ自体が潰れ、
店主と連絡が取れなくなってしまったそうなのです…
ショップにて施した作業のリストを見せていただきましたが、
エンジンはそれなりに手を入れられているようでした。
店からは「エンジンはかかる状態になっている」として受け取られたそうですが、
エンジンに火が入ったことは一度もないとの事。
「整備費を払った後に、そんなこともあるんだな…」
車両費込みでも相当な金額を負担されたオーナーさんが寂しそうに話す姿を見て、
こちらも悲しい気持ちになりました…
(…近所で当初の自分の希望にあったバイクがちょうど良いタイミングで出品されているのも何かの縁かな?
自分が引き取って再生させれば、こちらのオーナーさんにもこのバイク本来の姿を
見せてあげられる!専門店のバイク納車もまだだし、今ならまだ間に合う!!)
と、自分の中で勝手に妄想が膨らみ(笑)、
オーナーさんと別れる時には気持ちがかなり高まっていました。
翌日、専門店に商談のキャンセルを伝え(大変なご迷惑をおかけいたしました…)、
あとはオークションでの落札を完了するだけの状態に。
そしていよいよ決戦の夜…
スタート価格が400000円(最低落札価格あり)だったので、
「落札後、専門店にOHをお願いしたって全然安く上がる。
100万円までなら、OH代を差し引いても買いだな」と考えていました。
また、いくらなんでもそこまでは上がらないだろうと高をくくっていました
(これが大誤算でしたが…)
終了1時間前まで500000円まで上がっていましたが
まだ最低落札価格までは到達しておらず、
「どうしたもんかな…?」と考えているうち、あれよあれよと入札が殺到。
終了30分前には、一気に860000円まで上がっていました(!)
どうやら出品者様は850000円で最低落札価格を設定されていたようです
(後日聞いた話では、流通のほとんどないこのバイクの相場が知りたくて
設定したとのことでした)。
しかし、前述の妄想がMAX状態の私は、
「オレじゃなければ誰があのバイクを面倒見るんだ?絶対に落とさねばならん!」
と、変な義務感のようなものまで感じながら、競り合いに参加しました。
残り10分で940000円。この時点で入札相手は1人となりましたが、
この方がなかなか強敵で…(泣)
こちらが最高入札すると、すぐさま応札されるといった繰り返し。
1回の入札で1万円以上動いているというのに、
最早金銭感覚は完全に失われています(オークションって怖いですねぇ~)
5分を切って、こちらが当初限度額と考えていた1000000円が目前になってしまいました(!!!)
待て。冷静になれ、オレ!Stay calm!
実際100万円ってどれほどの金額か、お前は本当に分かっているのか!?
年収の何分の一に当たるのか、よ~く考えて入札ボタンを押下せよ!
改めて自分に問い掛けました。
そして…「最後に100万円で入札を入れ、これでダメなら諦めよう」と決めました。
そうしないとどこまで上がるのか全く先が見えなかったですから。
私が最後の入札をした時点で価格は995000円。
やはり相手は応札し、999000円に…
う~ん、だめかな?と思っているうちに再度の応札。
999999円になりました~
「最早、我が命は風前の灯火…」
バクバクした心臓を抑えながら、うつろな気持ちでモニターを見つめる私。
…
…
…
ん?
今までの怒濤の応札ラッシュが止んだようです!?
こ、このまま終わってくれ~!
…この時ほど時間が早く過ぎてくれと思った瞬間はなかったですね(笑)。
残り時間の表示が「終了」を示した時には、ホッとして全身の力が抜けました…
探し始めて3カ月余り、こうしてイエローデスモのオーナーになることが決まったのでした。

by kazoo_TA
| 2011-02-18 20:21
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